最近、街頭ポスターや雑誌広告の中で「めくる」「はがす」という動作を促すユニークな仕掛けを見かけることはあるでしょうか?実はそれが「ピールオフ広告(Peel-off広告)」というものです。
ピールオフとは英語で「はがす」という意味。その名の通り、広告の一部がシールやステッカー状になっており、ユーザーが自ら手で“はがす”ことでメッセージやクーポン、サンプルなどが現れる仕組みです。単純な視覚的訴求をゴールとせず、体験としてブランドを印象づけられる新しい広告手法として注目を集めています。
■ ピールオフ広告の仕組みと特徴
ピールオフ広告は、通常のポスターや雑誌広告の表面に、粘着加工された薄いフィルムやステッカーを重ねる構造になっています。
消費者がその部分を指でつまんで剥がすと、下から新たなビジュアルや情報が登場します。
たとえば、
化粧品メーカーが発行する雑誌の広告ページに試供品のパウチを仕込む
ペットボトルに付いているラベルをはがすとQRコード付きクーポンが出てくる
採用広告の特典ページに仕掛けを作り、“企業の本音”を読ませるようにする
といった形で、サプライズ性と参加性を兼ね備えています。
広告の“受け手”が自ら手を動かすことで、ブランドへの関与度が高まり、「記憶に残る広告体験」をもたらすことが最大の特徴です。加えてその「体験」を「共有」するという二次効果を見込むことができ、SNSでの拡散を通じで口コミ効果への波及を期待することができます。すなわちオフラインからオンラインへの拡張効果をあらかじめ想定したPR活動ができる広告手法のひとつとして効果的であると言えるでしょう。
■ ピールオフ広告のメリット
1. 高いエンゲージメント効果
消費者が能動的に関わる仕組みを持つため、通常の紙広告に比べて印象が強く残ります。
体験型の要素(試供品等)が、ブランド体験の第一歩として機能を担っています。
2. 情報量を二段構えで伝えられる
“はがす前”と“はがした後”でメッセージを分けられるため、ストーリー性やサプライズを演出できます。キャンペーンの告知や、期間限定情報などを隠す使い方も効果的です。
3. SNS拡散との親和性
「めくる」「発見する」という行為は視覚的にも楽しく、写真や動画で共有されやすい要素です。特に若年層を狙ったプロモーションでは、SNSでの二次的効果が期待できます。
4. 多様な媒体に対応可能
駅貼りポスター、店頭POP、雑誌広告、DM(ダイレクトメール)など、印刷物を中心に幅広い展開が可能です。近年ではデジタルサイネージと組み合わせたハイブリッド型も登場しています。
■ 費用感と導入のポイント
ピールオフ広告は、通常の印刷広告よりも加工コストが高めです。印刷仕様や仕掛けの複雑さによって異なりますが、ほとんどの場合は、添付物の種類による費用変動が全体の費用に影響することになります。たとえば、カード、マスク、ポチ袋など軽量な添付物であれば、通常のシート制作で考えても問題ないでしょう。その一方で、キーホルダーなど重量のある添付物の場合、シートの粘着力や剥離時における基材への影響を考慮し、基材を保護するためのパネル加工が必要となる場合があります。また、広告費という全体に着目するのであれば、プレミアム性の高い添付物を使用する場合や、有名人やタレントを起用する場合など、あらかじめ、通常よりも多くの人が集まる可能性が示唆されるような場合には、安全確保と円滑な運営のために警備員が必要と判断されることがあり、その際には別途追加費用が発生します。
東京メトロ新宿駅 ツインプレミアムセット(大型ポスターボード)
掲出費用 1,000,000円/1週間~
東急渋谷駅 道玄坂ハッピーボード
掲出費用 1,750,000円/1週間~
こういった費用面での諸条件を加味すると、やはり通常のポスター広告では演出できない「体験」と「共有・拡散」を前提として、「はがしたくなる仕掛け」をデザイン段階でどう作り込むかということを考えなければなりません。見た目にインパクトがあり、かつ“中身を知りたくなる心理”を誘うコピーやビジュアル設計が成功の鍵を握ります。
手触りのある広告体験へ
デジタル広告が主流となった今、リアルな接触体験を提供できるピールオフ広告は、「体験」と「共有」という二面性が新鮮な存在となっています。デジタル広告が注目される今だからこそ、アナログとデジタルの横断を前提とする、“オフライン” to “オンライン”の戦略が期待できる手法に注目が集まるのではないでしょうか?
指先で触れる瞬間に生まれる“発見の喜び”は、簡素な情報伝達という無機質な受信を超えたブランド体験そのもの。
消費者との関係をもう一歩深めたいと考える企業にとって、ピールオフ広告は「はがす」という動作を通じて、記憶に残るストーリーを生み出す魅力的な選択肢と言えるでしょう。
広告の未来は、ただ“見せる”だけでなく、“触れて感じる”体験へと進化しているのです。
